【2025年最新】ロシア投資信託の再開はいつ?今後どうなるかを徹底解説

  • URLをコピーしました!

2022年のウクライナ侵攻以来、日本の個人投資家が保有するロシア投資信託は「凍結」とも言える異例の状態が続いています。「いつになれば売却できるのか」「資産は戻ってくるのか」と不安を抱えている方も多いでしょう。

2026年現在も、国際情勢の複雑化により取引再開の目処は立っていません。本記事では、ロシア投信が直面している現状と、再開を阻む障壁、そして投資家が現実的に取るべき対応策を専門的視点から解説します。

ロシア投資信託とは?基本をおさらい

ロシア投資信託は、かつて新興国投資の中でも高い収益性を誇る魅力的な選択肢でした。

ここでは、取引停止前までの同ファンドの立ち位置や、なぜ多くの個人投資家を惹きつけていたのか、その基本的な特徴を改めて振り返り、現状との対比を行います。

ロシア株式・債券を組み入れた投資信託

ロシア投資信託とは、その名の通りロシア国内の証券取引所に上場している株式や、ロシア政府・企業が発行する債券を主な投資対象とした金融商品です。

代表的な銘柄には、世界最大級の天然ガス会社であるガスプロムや、金融大手のスベルバンクなど、国家経済の基幹を担う巨大企業が名を連ねていました。多くの投資家は、これらの企業が持つ圧倒的な市場支配力と、それに基づく安定した収益成長を期待して資金を投じていた背景があります。

しかし、これらの資産は現在、制裁措置によって国際的な決済網から切り離されており、実質的に「評価額がつかない」状態に陥っています。信託財産の中に含まれるこれらの銘柄が売買できない以上、投資信託という器そのものの価値を算定することが技術的にも不可能となっているのです。

投資家にとっては、保有資産の裏付けとなる「ロシアの実体経済」との接点が断たれたことが、現在の混乱の根源であると言えるでしょう。

資源依存経済に支えられた高配当銘柄が魅力

ロシア経済の最大の特徴は、原油や天然ガス、パラジウムといった膨大な天然資源に依存している点にあります。

この資源国としての強みは、投資信託においては「極めて高い配当利回り」という形で投資家に還元されていました。エネルギー価格が高騰する局面では、ロシア企業は莫大なキャッシュフローを創出し、それを株主へ惜しみなく分配していたため、インカムゲインを重視する投資家層からは絶大な支持を得ていたのです。

また、ロシア国債もかつては比較的高い金利設定がなされており、先進国の低金利政策に満足できない層にとって、リスクを取りつつリターンを狙える重要なアセットクラスでした。

当時は、地政学リスクはある程度織り込み済みとされていましたが、現在の全面的な経済断絶までは想定されていませんでした。この「資源の強み」が、制裁によって逆に「輸出困難という弱み」に転じたことが、ファンド価格に致命的なダメージを与えた主要因となっています。

2010年代には個人投資家に人気が高かった

2010年代、いわゆる「BRICs」ブームの一翼を担っていたロシアは、新興国投資の代表格として脚光を浴びていました。中国やインドに続く成長エンジンとして期待され、多くの証券会社が積極的にロシア特化型の投資信託を販売していた時期があります。当時の個人投資家にとって、ロシアへの投資は「今後の世界経済の多極化に乗るための必須戦略」の一つとして捉えられていたのです。

ネット証券の普及も相まって、少額からロシアの成長を享受できる投信は、ポートフォリオのアクセントとして組み入れられることが一般的でした。しかし、2014年のクリミア併合を経て徐々に地政学リスクが意識されるようになり、2022年の事態でその懸念が最悪の形で現実のものとなりました。かつての「人気銘柄」が、現在では「出口の見えない凍結資産」へと変貌してしまった事実は、投資におけるカントリーリスクの恐ろしさを物語る教訓となっています。


ロシア投資信託が取引停止になった理由

なぜ、私たちが保有しているロシア投資信託は突然売買できなくなったのでしょうか。

その理由は、単なる株価の下落ではなく、国際的な金融システムからロシアが物理的・法的に切り離されたことにあります。ここでは、取引停止に至った主要な4つの要因を深掘りします。

ウクライナ侵攻と経済制裁

2022年2月に開始されたロシアによるウクライナ侵攻は、国際社会から猛烈な反発を招き、前例のない規模の経済制裁が発動されました。主要なロシアの銀行が国際決済ネットワーク(SWIFT)から排除されたことで、資金の送受信が極めて困難になったことが最初の大きな打撃です。

これにより、日本の投資信託運用会社がロシア国内の資産を売却しても、その代金を日本円に換金して持ち帰ることができなくなりました。

さらに、米国や欧州によるロシア中央銀行の資産凍結などは、ロシア国内の金融市場そのものを機能不全に陥らせました。日本政府もこれに足並みを揃えたことで、対露投資は「道義的」な問題だけでなく、法的にも極めて制限されたものとなりました。この強力な外圧こそが、ロシア投資信託の流動性を一瞬にして奪い去り、投資家を身動きが取れない状態に追い込んだ最大の引き金です。

モスクワ証券取引所の閉鎖・制限

軍事侵攻直後、ロシアのモスクワ証券取引所は、自国通貨ルーブルの暴落と株価のパニック的な売りを防ぐために取引を一時完全に停止しました。その後、一部再開されたものの、「非友好国」の投資家(日本を含む)による株式売却は厳しく制限されています。

投資信託は、保有している株式を市場で売却して現金化することで投資家に払い戻しを行いますが、市場自体が閉鎖・制限されているため、売るに売れない状況が発生しました。

2026年現在も、この制限は実質的に継続されており、海外投資家がロシア国内の資産を自由に処分することはできません。ロシア側としても、外貨流出を防ぐための防衛策としてこの措置を維持しており、国際的な制裁が解除されない限り、門戸が開かれる可能性は低いでしょう。市場というインフラが「身内」だけに限定された運用を強いられていることが、外部投資家にとっての大きな障壁となっています。

日本の投資信託会社による新規募集停止

外部環境の激変を受け、野村アセットマネジメントや大和アセットマネジメントといった日本の運用会社は、相次いでロシア関連ファンドの新規募集および買い付け停止を発表しました。

これは、適切に資産を運用・管理することが不可能であると判断されたためです。投資信託は、投資家保護の観点から、常に正確な資産評価と換金の自由が担保されている必要がありますが、それが維持できない以上、新たな資金を受け入れることは責任ある運用とは言えません。

新規募集の停止は、そのファンドが「死に体」であることを示す明確なシグナルとなりました。運用会社は、既存の受益者の利益を守るために苦渋の決断を下しましたが、これによって市場からの関心はさらに冷え込み、ファンドの存続自体が危ぶまれる事態となりました。現在の日本国内において、新たにロシア投資信託を購入する窓口は完全に閉ざされており、既存の保有者だけが取り残された形になっています。

既存ファンドは「換金停止」「基準価額算定困難」に

最も深刻なのは、既存のファンドが「換金停止」および「基準価額算定困難」という状態に陥ったことです。投資信託の価値を示す基準価額は、組み入れ銘柄の時価に基づいて計算されますが、モスクワ市場での取引制限や為替レートの不透明さにより、正確な時価を算出することができなくなりました。

算定ができない以上、投資家が「いくらで売れるか」を提示することができず、自動的に解約(換金)も受け付けられない事態となります。

一部のファンドでは、ロシア資産を「サイドポケット(別勘定)」に切り出し、正常な資産だけを運用し続ける手法も検討されましたが、ロシア特化型ファンドの場合は資産のほぼ全てが対象となるため、救済措置としては機能しませんでした。結果として、多くの投資家はマイページに表示される「前回計算値」や「参考価格」を眺めることしかできず、資産が実質的にゼロ、あるいは凍結された状態を数年にわたって受け入れざるを得なくなっています。

ロシア投資信託の取引再開はいつになる?

投資家が最も知りたい「いつ再開されるのか」という問いに対しては、2026年時点でも「数年単位、あるいはそれ以上の期間、明確な目途は立っていない」というのが現実的な見解です。

再開には、まずウクライナにおける停戦が絶対条件となりますが、たとえ軍事的な衝突が収束したとしても、即座に経済制裁が解除されるわけではありません。国際社会との信頼関係が完全に崩壊した現状では、金融システムへの復帰は極めて慎重に進められることになるでしょう。

取引再開を左右する具体的なハードルは以下の3点に集約されます。

  • 対露制裁の解除とSWIFTへの復帰: 日本を含むG7各国が制裁を緩和し、送金制限が解除される必要があります。
  • ロシア側による「非友好国」制限の撤廃: ロシア政府が日本などの投資家に対して、資産売却と外貨持ち出しを許可しなければなりません。
  • カストディ(資産保管)網の正常化: ユーロクリアやクリアストリームといった国際的な振替機関との接続が回復し、権利関係が整理される必要があります。

現時点での専門家の予測では、こうしたプロセスには最低でも5年から10年の月日を要するという見方が強まっています。ロシア政府は自国資産の没収に対抗して、海外投資家の資産を人質に取るような姿勢も見せており、政治的な交渉材料として利用されている側面も否定できません。

したがって、短期的な再開を期待して待つのではなく、この資産は「当面の間、動かせないもの」として家計管理から切り離して考えるのが、精神衛生上も賢明な判断と言えるでしょう。

個人投資家はどう対応すべきか?

資産が凍結され、出口が見えない状況で個人投資家にできることは限られていますが、何もしないことが最善とは限りません。現状を正しく認識し、リスクを最小限に抑えつつ、次の投資戦略を練ることが重要です。

換金停止ファンドの扱い → 長期保有を余儀なくされる

現在ロシア投信を保有している方は、自分の意思に関わらず「超長期保有」を強制されている状態です。まず受け入れるべき事実は、この資産を今すぐ現金化して他の用途に充てることは不可能であるということです。

運用会社が解散(繰上償還)を決定しない限り、信託報酬などのコストが発生し続ける場合もありますが、多くのファンドでは運用実態がないためコストも最小化されています。

投資家ができる実務的な対応としては、証券会社からの通知を定期的にチェックし、ファンドのステータスに変更がないか確認することに留まります。

無理に忘れる必要はありませんが、この資産を「あてにする」ポートフォリオからは外しておくべきです。万が一、将来的に取引が再開された際には、価格がどうあれ一旦利益確定や損切りを行い、出口戦略を完結させるための心の準備だけは整えておきましょう。

ロシア以外の新興国投資信託への分散検討

ロシアへの投資で学んだ最大の教訓は、特定の一国に依存する「カントリーリスク」の甚大さです。ロシア株に期待していた「高成長・高配当」というニーズを代替するために、今後はインド、ベトナム、メキシコ、あるいはブラジルといった、他の新興国への分散投資を検討すべきでしょう。
特にインドは人口ボーナスを背景に安定した成長が見込まれており、ロシアの穴を埋める投資先として2020年代後半の主役に躍り出ています。

ただし、一国特化型のファンドは常にロシアと同じリスクを孕んでいることを忘れてはなりません。理想的なのは、特定の国を選別するのではなく、「新興国全体(エマージング・マーケット)」に投資するインデックスファンドを活用することです。

これならば、どこか一国で政情不安が起きても、ポートフォリオ全体へのダメージを限定的に抑えることが可能です。ロシアの経験を糧に、より堅牢な分散投資へとシフトする良い機会と捉えましょう。

新規での購入は事実上困難

現在、日本国内の主要な金融機関でロシア投資信託を新規に購入することはできません。一部の海外口座を経由すれば不可能な話ではありませんが、日本の個人投資家がリスクを冒してまで手を出すべき領域ではありません。

現状、ロシア資産を買うということは、出口(売却)が保証されていないギャンブルに資金を投じるのと同義であり、投資の基本である「流動性の確保」が完全に欠如しています。

もし「暴落している今こそ買い場ではないか」という逆張り的な発想を持ったとしても、それを実行に移す手段が制限されているのは、投資家保護のためのセーフティネットが機能している証拠でもあります。金融庁や各運用会社も厳重な警戒を解いておらず、個人がアクセスできる範囲でのロシア投資は完全に遮断されていると認識すべきです。今はロシアに固執するのではなく、透明性の高い他の市場に目を向けるべき時です。

高リスク資産としての位置づけを理解すること

今回の事態を通じて、新興国投資がいかに「ハイリスク・ハイリターン」であるかを痛感したはずです。投資信託は一般的に「安全な長期積立」のイメージを持たれがちですが、投資対象が独裁的な色彩の強い国や、国際秩序に挑戦する国である場合、そのリスクは株式市場の変動率(ボラティリティ)を遥かに超えるものとなります。

今後の資産運用においては、ロシア投信のような個別国ファンドを「サテライト(脇役)」として位置づけ、ポートフォリオ全体の10%以下に抑えるなどのルール作りが不可欠です。中心となる「コア(主役)」には、全世界株式や先進国株式といった、法治主義と市場経済が確立された地域の資産を据えるべきでしょう。

高いリターンには、それ相応の「資産を失うリスク」が常に隣り合わせであることを再確認し、自身の許容範囲を超えない運用を徹底してください。

ロシア経済の現状と見通し

ロシア投資信託の復活は、究極的にはロシア経済の再起と国際社会への復帰にかかっています。しかし、2026年現在のロシア経済を取り巻く環境は、かつての資源大国の面影を失いつつあり、深刻な構造的変化に直面しています。

原油・天然ガス価格の下落リスク

かつてロシア経済を支えた原油や天然ガスは、今や最大の懸念材料となっています。世界的な脱炭素(カーボンニュートラル)の流れが加速する中で、欧州という最大の得意先を失った打撃は回復の兆しが見えません。欧州諸国はロシア依存からの脱却を完了させており、インフラが整備されていない地域への輸出転換には膨大なコストと時間を要しています。

さらに、米国や中東諸国の増産、さらには世界的な景気減速に伴うエネルギー需要の減退が起これば、資源価格は下落を免れません。ロシアの国家予算の多くは原油価格が一定水準以上であることを前提に組まれているため、価格低迷はそのまま国内経済の疲弊に直結します。
資源に頼りすぎた経済構造が、国際的な孤立と相まって、自らの首を絞める形となっており、投資対象としての魅力は構造的に損なわれています。

中国やインドへの依存度増加

欧米市場を失ったロシアが活路を見出しているのは、中国やインドといったアジア諸国です。ロシア産の原油や石炭を割安な価格でこれらの国々に供給することで、辛うじて外貨を獲得していますが、これは事実上の「買い叩き」に遭っている状態でもあります。
特に中国への経済的依存度は急上昇しており、ロシア経済は中国のサプライチェーンの下請け、あるいは資源供給基地としての色彩を強めています。

この依存関係は、ロシアにとって決して対等なものではありません。中国の意向一つでロシア経済が左右されるリスクが高まっており、独自の経済成長を期待するのは難しい状況です。

投資家の視点から見れば、ロシアに投資することは「中国経済の変動リスク」と「ロシア特有の地政学リスク」を二重に背負うことを意味します。かつてのBRICsのような、互いに切磋琢磨する成長モデルは崩壊したと言わざるを得ません。

ルーブルの不安定な動き

通貨ルーブルは、ロシア当局による強力な資本規制によって「見かけ上の安定」を保っていますが、その実態は非常に脆弱です。
自由な両替が制限され、貿易決済もドルやユーロから人民元へとシフトする中で、ルーブルの国際的な信用力は失墜しました。国内ではインフレが進行しており、国民の生活水準は低下傾向にあります。

投資信託の基準価額は為替の影響を大きく受けるため、ルーブルが正常に取引されない限り、正確なリターンを算出することは不可能です。
将来、規制が解除された瞬間にルーブルが暴落するリスクも根強く、投資家にとっては「換金できたとしても、円建てで見ると二束三文」という結果になる可能性も十分にあります。通貨の不安定さは、金融商品としての信頼性を根底から揺るがす致命的な欠陥となっています。

国際社会との金融断絶が続く可能性

最も悲観的、かつ現実的な見通しは、ロシアと国際金融システムの断絶が固定化される可能性です。2026年現在、ロシアは独自の決済システムやデジタルルーブルの開発を急いでいますが、これらはあくまで欧米主導のシステムへの対抗策であり、互換性はありません。

投資信託の保有者にとって、これは資産の凍結が10年、20年というスパンで続くリスクを示唆しています。歴史を振り返れば、革命や戦争によって失われた資産が半世紀を経て返還された例もありますが、個人の資産形成の時間軸としては現実的ではありません。

国際社会との断絶が続く限り、ロシア投資信託は「市場に存在するが、触れることができない遺物」のような存在であり続ける可能性が高いでしょう。

まとめ|ロシア投資信託は「不確実性が極めて高い」

現状、ロシア投資信託は 新規購入がほぼ不可能 であり、既存保有者も「換金停止」などで事実上身動きが取れない状況です。今後の行方は国際情勢と資源価格に大きく左右されるため、短期的な回復は見込みにくいといえます。

投資家としては「資産を塩漬けにしておくリスク」を理解しつつ、他の新興国やグローバル株式、インデックス投資など、 より透明性の高い資産 へ分散していくことが現実的な戦略になるでしょう。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

FireTimesは、FireTimes編集部が企画・運営するFIREするための情報や関連のお金・投資情報を発信するメディアです。ニュースや学びの情報も発信しています。