- FIRE(Financial Independence, Retire Early)はリタイア度合いごとに4種類に分けられる。
- 40代独身のFIREの必要金額は最低5000万円、サイドFIREなら
- 40代夫婦2人のFIREの必要金額は最低5000万円、サイドFIREなら

今、世界中で若いうちに経済的にリタイアする「FIRE」という生き方が注目されています。
日本でも20〜40代を中心に注目されており、「老後まで働き続けなくてもいい生き方」として人気が高まっています。
40代に入って、今がやりたいことをやれるラストチャンスと考えFIREする方も一定数いるようです。
本記事では、「40代でFIREするにはいくら必要か?」をテーマに、独身と夫婦それぞれのケースを具体的な数字を交えて徹底的に解説します。生活費の試算から資産運用の前提、リスク対策まで網羅し、あなたのFIRE計画の参考になる内容を目指します。
さらに、現実的な資産形成のステップや節約・副業戦略も紹介し、40代でのFIREを本気で目指す方に役立つ実践的な情報を提供します。
FIREの基本知識
FIREは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、「経済的な自立と早期の退職」のことを指します。
FIREはアメリカ発祥の新しいライフスタイルで欧米を中心に注目されていましたが、昨今の投資ブームや働き改革の影響もあり日本でも注目されています。
FIREの定義と早期リタイアとの違い
日本でもFIREというワードが広まる以前から「早期リタイア」という言葉は使われていました。早期リタイアは、定年前に仕事からリタイアすることを指します。
定年前に仕事からリタイアするところは、FIREと早期リタイア共通点ですが、両者にはリタイア後の資産運用スタイルに違いがあります。
早期リタイアは、十分な貯蓄を確保した上でリタイア後は貯蓄を切り崩しながら生活します。
これに対して、FIREは資産運用しながらリタイアを実現し、リタイア後も資産運用から得た不労所得で生活費を賄います。FIREの場合は、リタイア後も資産運用からの収入をえるため、早期リタイアに比べて貯蓄が少なくても実現できる可能性が高いです。
そのため、FIREは30代や40代といった若年代にも支持されているのです。
FIREに必要な金額の考え方
FIREの必要資産額を計算する上で、最も重要な要素は「年間生活費」です。生活費を正しく見積もることが、資産額を無駄に増やしすぎず、また逆に不足させないための鍵となります。
生活費の試算では、以下の要素を考慮しましょう。
- 居住費:住宅ローンが完済しているか、賃貸か。持ち家でも固定資産税や修繕費は発生します。
- 食費:独身と夫婦で大きく異なる項目です。外食頻度や自炊の習慣で年間数十万円の差が出ます。
- 光熱費・通信費:電気代、ガス代、水道代、インターネットやスマホ代。省エネ化や格安SIM活用で削減可能。
- 医療費・保険:年齢が上がるにつれて医療費の比重が増します。保険料も含めて試算が必要。
- 趣味・娯楽費:旅行、スポーツ、趣味活動など、生活の質を高めるための支出。
- その他の支出:被服費、交際費、突発的な出費(家電の買い替えなど)。
FIREの世界では、「年間生活費 × 25倍」という計算式が有名です。
これは米国の4%ルールに基づくもので、資産の4%を毎年取り崩しても資産が持つとされる考え方です。
例えば、年間生活費が300万円の場合、必要資産額は300万円 × 25=7500万円となります。
ただし、40代FIREでは退職期間が40年以上に及ぶ可能性があるため、インフレや長寿リスクを考慮して生活費×30倍程度で計算するほうが安全です。
FIREには5つの種類がある
一口にFIREと言っても、生活スタイルや働き方によっていくつか種類があります。
ファットFIRE・リーンFIRE・サイドFIRE・バリスタFIRE・コーストFIREの5種類です。どのFIREを目指すかによって、必要な資産額や労働量が変わってくるため、自分自身にあったFIRE選びましょう。
ファットFIRE
ファットFIREは、現役時代と同等かそれ以上の豊かな生活水準を維持しながら早期リタイアを目指す方法です。旅行や高級レストラン、趣味への投資など、生活の質を落とさずに楽しむことができます。
そのため必要な資産額は高く、独身なら1億円以上、夫婦なら1.5〜2億円以上が目安です。
達成までの期間は長く、収入の高さや投資の成功が重要な要素となります。一方で、達成できれば経済的な不安が少なく、自由な時間を贅沢に使える生活が待っています。
リーンFIRE
リーンFIREは、支出を最小限に抑え、必要最低限の資産で早期リタイアを目指すスタイルです。年間生活費を極端に抑えることで、比較的短期間で達成できる点が特徴です。
例えば年間生活費を200万円に抑えれば、約5000万円の資産でFIREが可能となります。
倹約志向が強く、ミニマルな生活を好む人には向いていますが、予期せぬ出費や生活の変化に柔軟に対応しづらいというデメリットもあります。自由な時間は増えますが、生活の質は自己管理能力に大きく依存します。
サイドFIRE
サイドFIREは、資産収入に加えて副業やパート収入で生活費の一部を賄う方法です。完全リタイアではなく、働きながら生活の安定を確保します。
副業で年間100万円を稼げれば、必要な資産額を数千万円減らすことができ、より早い達成が可能です。精神的にも完全リタイアよりプレッシャーが少なく、やりたい仕事を選びやすいのが魅力です。
ただし、働き続ける必要は残るため、完全な時間的自由は得られません。現実的かつ柔軟なFIREスタイルとして人気が高まっています。
バリスタFIRE
バリスタFIREは、資産収入と軽い仕事を組み合わせたFIREスタイルで、米国ではカフェ店員などをしながら医療保険を得る事例が有名です。
生活費の一部をパートやアルバイトで補うことで、必要な資産額を減らし、早期リタイアを現実的にします。好きな仕事や人と関わる機会を持ちながら、生活リズムを自分のペースで整えることが可能です。ただし、収入が労働に依存するため、健康や就業環境によって安定性が左右される点には注意が必要です。
コーストFIRE
コーストFIREは、早い段階で老後資金を確保し、その後は生活費分だけ働きながら資産を運用で増やす方法です。一度目標資産に到達すれば、追加の老後資金を貯める必要がなく、働き方を自由に選べます。
資産は長期運用で自然に成長し、定年時には十分な額に育つ想定です。フルタイムでの高収入を続ける必要がないため、精神的な余裕が生まれますが、初期段階での資産形成スピードが成功の鍵となります。
以上、5種類のFIREについて紹介しました。
この記事で想定しているFIREの方法はリーンFIREです。
そのため、バリスタFIREやコーストFIREなどであれば、より早期にFIREは実現可能かもしれません。
40代FIREに必要な金額
40代がFIREするのに必要な金額を「独身」と「夫婦」の場合のそれぞれのパターンで試算してみました。
独身で40代FIREする場合の必要資産額
独身の場合、夫婦に比べて生活費は低くなる傾向があります。賃貸で生活する場合の標準的な試算は以下の通りです。
- 家賃:月7万円(年間84万円)
- 食費:月3万円(年間36万円)
- 光熱費・通信費:月2万円(年間24万円)
- 医療費・保険:年間10万円
- 趣味・娯楽費:年間30万円
- その他雑費:年間20万円
合計すると、年間生活費は約204万円となります。
4%ルールに当てはめると、204万円 × 25倍 = 5100万円が必要資産額の目安です。しかし、40代FIREでは生活期間が長く、また突発的支出やインフレも考慮すべきです。より安全な計算としては、204万円 × 30倍 = 約6120万円程度を目指すのが望ましいでしょう。


